LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

LEICA APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH.

ライカからプロユースを想定したミラーレスカメラとして、ライカSLが登場したのは2015年のことです。当時、ライカからミラーレスカメラが登場したというニュースだけで心踊ったものですが、実際にその描写や画質に度肝を抜かれたことを思い出します。そのSLレンズに「アポ」の名を冠する「アポ・ズミクロンSL 90mm F2 ASPH.」と「アポ・ズミクロンSL 75mm F2 ASPH.」の2本のレンズが新たに加わりました。この二つのレンズは、ほぼ同サイズで相互に互換性を有しています。ともにアポクロマート補正を施すことで色収差をほぼ認識できない程度にまで低減したとのこと。これがレンズの名称にある「アポ」の由来となっています。レンズ構成はいずれも非球面レンズ1枚を含む9群11枚。レンズの大部分に異常部分分散ガラスを使用しているとのこと。ライカと言えば、まず何よりもレンズが良いというイメージを持っていますが、そのライカが満を時して今回のこの「アポ」を登場させたということで期待しかありません。早速インプレッションをお届けしたいと思います。

( Photography & Text : TA )

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

レンズとボディーのマッチングから得られる描写を想像しただけでも垂涎ものでしたが、実際の描写も唸らせられるものがありました。光量的に厳しい環境下でのポートレートですが、これだけの美しい画質が得られることにまず驚きます。衣装の生地、湿気を帯びた人物の肌など、そのリアルな質感描写には唸らせられるばかりです。

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

アポクロマート設計ときくと、まずこのような被写体を狙いたくなります。開放からシャープでよく写りますが、硬い印象はありません。淀みがなく量感を伴ったボケが美しい。

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

思わず笑みが出てしまうほどよく写るのですが、その解像力と引き換えに何かを失ったりしないのが本レンズのすごいところ。水の入ったグラスと、ガラスのテーブルを手で触った時の、あの「ひんやり」とした感触までも写し込むリアルな描写に驚かされます。また、撮影最短距離が0.6mですから、被写体にぐっと寄って撮影することも可能です。

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA


LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

被写体から背景までの距離がなくても、奥行きや立体感を感じる描写です。見ているそのままのシーンをリアルに写し込むというより、それらの言葉が陳腐に感じられてしまうほど、実際に目にしているシーンより、画からはより生々しさを感じます。椅子の木や革などの手触りまでも感じられる描写に驚きます。

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

雨上がり、空一面に雲がかかり、フラットでどんよりとした1日。ロケを諦めた方が得策かと思えるほど条件の悪い1日でしたが、それでもこれだけのコントラストを保ち対象をリアルに描きだす能力は流石の一言です。

LEICA SL (Typ601), APO-SUMMICRON-SL 90mm F2 ASPH., Photo by TA

咄嗟にカメラを構え撮影をした一枚。オートフォーカスは非常に高精度で静音性に優れており、テストをしていて「その瞬間」を逃すことはありませんでした。高精度なAF、リアルを写し込む驚愕の描写性能に加え、取り回し易いサイズと、非常に使い出のあるレンズに仕上がっています。高精度なAFがあたりまえのように仕事を捗らせてくれるのですが、この描写性能がAFで得られるという点は本レンズ最大の魅力と感じます。



PHOTO YODOBASHI

えげつない描写性能に実用性が伴った稀有なレンズ

街中でスナップをしていると外国人に声をかけられたり、若い男の子達にかっけえええええ!と叫ばれたり?(それも一度二度でなく)「ライカ」をぶら下げていたからでしょうか。リアルで生々しく立体感があるといった質感描写に長け、高い解像力と表現力を両立させた単焦点レンズが高精度のAFで使えてしまうのが本レンズの最大の魅力ではないでしょうか。ライカのえげつない描写性能をそのまま活用できる上、実用性は格段とアップ。プロユースも想定された本シリーズです。最短撮影距離が一般的な中望遠レンズより短めの60cmである点も良いですね。今後ライカSLシリーズは16-35mmの広角ズームや、アポ・ズミクロンSLの35mmと50mmの発売も予定されており、広角から望遠まで8本が出揃うことになります。TLレンズも装着可能ですしRレンズと組み合わせてみても面白い。ポテンシャルは無限大大大です。ミラーレスシステムをライカで組んでみませんか。

( 2018.03.22 )




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