LEICA X2 実写レビュー

有効画素数1620万画素、140万ドットのEVFを搭載可能としたLEICA X2がデビュー。LEICA X1の実写レビューを過去行い、編集部でもちょっとした取材に大活躍していたX1から、どのように変わったのか興味津々でした。早速実写してみたところ、AFが目に見えて速くなり合焦率が上がったのを始め、細かな使い勝手が向上しました。画的には、画素数を積み増したことで階調がリッチになり精細さも増した印象です。いわゆる「キープコンセプト」なのですが、「売れているからコンセプトを継承して各部のアップデートを施しました」といったニュアンスとちょっと違います。相変わらず「ライカらしい」といった印象で、このあたりが変わっていない、という意味です。一般的には「一風変わったカメラ」かもしれませんね。面白いカメラです。

( 写真/文:K )

相変わらずライカらしい渋めの色再現

Kodak の PORTRA あたりのフイルムを愛用する人には、すんなり入り込んでくる色再現。しかし、一般的な色再現からすれば「超」が付くほど渋い。昨今のデジタルカメラに搭載される各種の色再現モードの一つとしてではなく、これがスタンダードの画ですから、まさに一般的なデジタルカメラをお使いの方が初めてライカのデジタルカメラを使うと面食らってしまうでしょう。上の作例で一時停止看板の赤をご覧ください。スーツをさり気なく着こなす女性が引くルージュのようです。ロケ日の天候があまり良くなかったせいもありますが、「ヌケ」を演出しようという画作りでは無いと感じます。むしろ地表に沈殿する空気の「澱」が写るようで、このあたりの画作りが実にライカらしく、他のカメラと一線を画するところです。

ザッと雨が降り出して喫茶店に退避。夕暮れ時の雰囲気がよく写っています。画作りからオーバー目よりは、若干アンダー目に露出を決めると、なかなかグッとくる画になるのが特長。

その場の光で、見たままの光量を再現すべくマニュアルで露出を決めます。特に中間から暗部に至るまでの階調特性がプアだと、仕上がりを考えれば露出に迷うシーンなのですが、X2は深く考える必要も無くそのままシャッターが切れます。しとしとと降り続ける雨の車内の雰囲気がよく再現されています。

 

いわゆる画像の仕上がりモードなのですが、X2には「フイルム設定」とメニューに記されています。仕上がりの雰囲気を想像させる抽象的な名称だったり、「**シミュレーション」といった名称が一般的には冠されるものだと思いますが、そのものズバリ「フイルム設定」です。これがなかなか奥が深く、RAW(DNG)+JPG同時記録で撮影してみると、カラーであればRAWは似ても似つかない派手な画に、RAWからモノクロームに後処理で変更しようと思っても、JPGと同じ画にするのは凄く難しいのです。編集部でX1を使用していても、結局JPG撮りっぱなしの画が一番気に入ってしまい、RAWで撮影するのは光の加減で露出決定が大変難しい時だけに限られてしまいました。一般的にはRAWはJPGの延長線上にあり、「さらにクオリティを求める場合に・・・」といった感じなのですが、JPGはメーカーであるライカ社のポリシーで作り上げられた画なのです。ライカが作る画が好きか嫌いかという話がまず先に来ますが、好きなら実に再現性の高い、まさにフイルム的な感覚でJPG撮りっぱなしで使うのがベストかもしれません。何せカラーのスタンダードな設定(JPG)ですら、RAWから同じような画を再現できないのですから。

びっしりと敷き詰められた雲の下、見たままの光量を再現する露出で。モノクロームの設定は、なかなかグッとくる画です。

冴えない光の下では、フイルムは冴えなく写るものです。モノクローム専用機を出すぐらいのメーカーですから、このあたりも面白いですよね。

 

400万画素程度アップしたおかげで・・・なんて記すと、「なんだそのぐらい??」と感じますが、400万画素といえば一昔前のデジタルカメラ1台分の画素数です。効かないはずはなく、X1とくらべれば、やはり緻密さがアップしました。画素数アップは解像力はもとより、階調特性がよくなる傾向にありますが、それに加えて、画のリアリティが増す印象です。

フェイクレザーが用いられたヘルメット。質感再現は大したものですね。

絞り込むと緻密さが増す印象の搭載レンズ。このカットは1段絞り込んでいますが、画素数が増えたことも影響しているのですが、このあたりが立体感を最も感じられる絞り値かもしれません。

 

50mmだと少し窮屈なときもありますが、35mm付近の画角は見知らぬ土地に出かけたときも潰しの利く画角だったりします。つまり普段使いには何かと便利な画角で、洒落たボディデザインということもあり、鞄にいつも忍ばせておくと、なかなか楽しい写真生活が送れそうです。高感度特性もさすがにAPS-Cサイズということもあり、かなり良好。感じ方はそれぞれだと思いますが、ISO1600程度でも十分使えるでしょう。AFが格段に速くなったこともあり、ますます毎日持ち歩けるカメラとして磨きが掛かった印象です。毎度思うことですが、カメラに限らず道具は何でも易しいに越したことはありません。そんな意味で、X2は格段にフレンドリーなカメラとなった印象です。※今回EVFまでは試せなかったのですが、またレポートをお届けする予定です。

 

往年のライカを思い起こさせるようなシルバーフィニッシュが登場。ボディ自体はX1とさほど変わらないのですが、ダイヤルの節度感が増したり、ストロボがより高く上がるように形状が変更されました。X2ではシルバーとブラックの2本立て。X1でもブラックがラインナップされていましたが、同様のフィニッシュのようです。今回の新色シルバーは、これはこれでなかなか締まった印象。さて、どのフィニッシュを選ぶか、悩んでみてください。

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やっぱりシルバーですよね。

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やっぱりブラックですか。どちらにするか迷ってしまうほど、どちらも魅力的ですよね。

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今回レポートできませんでしたが、次回またあらためてお伝えいたします。

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速写ケースとは懐かしい響きです。往年のM型ライカ用のケースを彷彿させます。仕立てもバッチリです。

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こちらはコンパクトなレザーケース。

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ケースだけで幾つあるんだ??といった具合ですが、こちらは軍艦部を露出させた、いわゆるプロテクターです。しかしどれも高品位ですね。

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ストラップは付属しますが、ハンドストラップが結構便利ですよ。

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