LEICA V-LUX (Typ114)|SHOOTING REPORT

フォトヨドバシをご覧の方の多くは何かしらレンズ交換式のシステムをお持ちではないかと思いますが、レンズ固定式だからこそ実現できる製品もあります。高倍率ズームレンズと携帯性を両立させるパッケージはその最たるものではないでしょうか。ライカの新しい「V-LUX」は35mm判換算で25-400mmという広い焦点距離をカバーしたカメラで、レンズも開放F2.8-4と明るく、センサーは1型・2000万画素という大きなものを搭載。この類のカメラは従来「高倍率ありき」というところがありましたが、ここまでクオリティが上がってくると俄然魅力的な選択肢として浮上してくるものです。フィールドに出て、早速撮影をしてみましょう。

( 写真:Z II / 文:48 )

ボディ形状はご覧の通り。一眼レフのコンセンサスに則ったフォルムながら、ライカらしいスッキリとエレガントな仕上がりで、手にしていて心地の良いモノと思います。もちろんコンパクトカメラとしては大きいですし、今やミラーレス一眼にももっと小さなものがあるわけですが、このズームレンジをおさえるカメラとしては最適なものではないでしょうか。実際手に馴染む形でホールディングも良く、特に望遠側ではしっかりと脇を絞めて撮影ができました。フードを外すともう少しコンパクトな印象になります。

ワイド端で1カット、美しい空のグラデーションがうまく表現できましたね。これだけの解像感・トーンですから、多くの場面で満足できる結果が得られると思います。1型センサーということで被写界深度も稼げますから、旅の風景撮影にはもってこいと言えるのではないでしょうか。

前の写真の左手、見比べられそうな範囲でズームしてみました。これでも216mmで、テレ端400mmには行きません。2枚を見比べていただければ、このカメラのレンジが如何に広く、自在な画角を手に入れられるかがわかるでしょう。実際400mmという画角は通常の用途では長すぎるくらいのものなのですが、これが短いと「ちょっと足りない」という制約になるのですよね。

ですから長く伸びるからって無理に伸ばす必要はなく、出会った場面を「撮りたいように切り取ることができる」カメラだと思ってください。AFのスピードも良好です。不意に塀から飛び降りようとする猫の姿を、ギリギリ抑えることができました。

ズームだけでなく寄れることも大事ですね。最短撮影距離はなんと3cm。気になった被写体は、ぐっと近寄って撮ってみるのもよいでしょう。寄って撮影すればボケも楽しめて、立体感のある写りが得られると思います。

動物園など被写体と一定の距離があるシーンでは、望遠側が大活躍。肉眼以上に動物たちのディテールを確認することができますから、家に帰ってからじっくり鑑賞してみると色々な発見があります。肌の質感もしっかりと伝わり、見事なリアリティです。

ズームレンズって、テレ端とワイド端ばかり使ってしまいませんか? これだけ広角から望遠までこなせるカメラだと、端ばかり使うと極端ですから、自然に自分の使いやすい画角が見えてきます。写真をはじめて間もない方なら、こういったカメラを使ってから使いやすい画角を知るのは大切です。単焦点レンズを選ぶ際にも参考になりますね。

高感度もなかなかのもの。夜のスナップは、ISO1600あたりで無理なくこなせると思います。夜や室内ばかりでなく日中でも、望遠で手ブレが怖いときに少し感度を上げてシャッタースピードを稼ぐ、といった手もありますよね。近年のセンサーや画像処理エンジンの向上には、感心しきりです。

もちろん感度を挙げればノイズもありますしディテールが失われるのですが、、、いや十分ではないでしょうか。開放の明るさもありますが、ワイド端がとても使いやすいですね。

プライベートな場面でもぜひ。思い出の瞬間を抑えておくのは、私たちの役目です。

 

画角から自由になって、大切な光景にシャッターを

写真を撮りたくなる瞬間というものは、突き詰めれば心が動いた瞬間です。雄大な風景はもちろん、由緒ある建物や街並み、美味しそうな料理、子どもたちの笑顔、道傍に咲いた花。感動をそのまま持ち帰りたくてシャッターを切るものの、手持ちの機材でうまく撮影できないということはよくあるものです。25mmという広角から400mmという望遠までを備えるV-LUXは、画角という点において不自由を覚えることはありません。どのようにも切り取ることができるのですから、あとは心のままにシャッターを切ればいいのです。

従来の高倍率コンパクトカメラとは一線を画した画質ですから、これ一台で済ませてしまうというのも良い選択だと思います。メインシステムをお持ちで、例えば普段から単焦点レンズで撮影される方など、交換レンズを持ち歩くよりはこの1台をサブカメラとするのも手でしょう。これだけの画角を抑えるレンズを持ち歩くのは、ちょっと現実的ではありませんよね。おそらく経験のある方々ほどこのカメラをうまく使いこなして、メインシステムでは撮れなかった一枚を撮影することができるはずです。

いかがでしょうか、鞄の中に収まる25-400mm。撮れる世界が、きっと広がります。

( 2014.11.13 )




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ライカの手にかかるとエレガントにまとまるから大したものですね。幅広い撮影を可能にし、オールラウンドに活躍できる1台を、ぜひお手元に。

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4K動画を撮影できることも考えると、メモリは大きいに越したことはありません。動画の書き込みスピードもUHS Speed Class 3に対応したもので。

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旅行のお伴に持っていくなら、バッテリーは複数ご用意を。安心です。

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英国ビリンガム社とコラボレーションして生まれたバッグ。元はM型ライカを想定したものですが、V-LUXにもお似合いだと思います。お散歩スナップやショートトリップに最適なコンパクトサイズ、使い込んでよい風合いになっていくのが楽しみですね。

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