1530万画素、24mm〜480mm相当（35mm換算）の目も眩むような高倍率ズームを搭載したV-LUX40。GPSも搭載して位置情報も記録できます。動画も撮影可能。あげくシャツのポケットにストンと入りきってしまう大変にコンパクトなボディ。撮像素子の小さなコンパクトデジタルのメリットを最大限に活かしたカメラで、もはや千里眼のような、万能デジタルガジェットのような。このコンパクトさから想像できない超高倍率＆超望遠の世界はなかなかに刺激的で、24mm広角から猛烈に切り取り感の強い超望遠まで、ともかく電源スイッチを入れたら楽しくて無意味にズームレバーを操作してしまいます。しかし、しつこいようですが、このコンパクトなボディで、480mm相当の画が撮れてしまうのは痛快極まりないですね。どんな撮影だって突発的に超望遠が欲しくなるときがあります。そんなときにこれ1台あれば、画素数もかなりのもので、結構心強いと思います。なによりも、常に持ち歩く1台としては寄れて引き寄せられて、撮れないものは無いといった印象。ルックスもなかなか、GPSまで載っちゃって地図に写真を載せたりできて・・・かなり面白い1台ではないでしょうか。
( 写真/文：K )
これだけの画素数に高倍率ズームとなると、手ブレ補正機構がヤワだとまともに止まりません。センサーが小さいコンパクトデジタルだけに、できる限り低感度で撮影したいところです。V-LUX40を使って最初に驚くのは、液晶画面がテレ端でもビタっと張り付くように止まるのです。かなり強烈に効く印象です。光学式手ブレ補正機構のメリットは、フレーミングの最中、ファインダー代わりの液晶表示も画が止まることです。480mm相当のテレ端で、画が止まらないとフレーミングするのも至難の業ですから、これはありがたいですよね。しかし、日頃慣れたスナップ撮影でも、480mm相当の画角はかなり強烈で、液晶画面を見ているだけでワクワクします。これを35mmフルサイズセンサーを搭載するカメラで同じように撮影は・・・ちょっと厳しいですよね。少なくともスナップ撮影ではサイズも、手持ち撮影も。。。
このカットと同じようなものを35mmフルサイズセンサーを搭載するカメラで撮ろうとすれば、35mm〜50mmあたりのレンズをつけて撮影といったところでしょうか。被写体から殆ど距離の無いところからの撮影となります。V-LUX40だと、横断歩道の対岸からズームレバーをひょいと操作するだけ。だんだんと撮影が横着になりそうです。。。
どれぐらい引き寄せられるかというと・・・、左がワイド端、右がテレ端となります。高倍率だからといって、テレ端の像が甘いなんてこともなく、むしろ十二分にシャープな像を結んでくれます。単純に望遠鏡代わりにも使えますね。しかし、小さなセンサーで高画素、この倍率です。レンズの能力が高くないと、ここまでは写らないのではないでしょうか。
彩度が低めな画作りはライカらしいところ。ド派手な画作りが好きな方には向きませんが、カラーネガフィルムのような画が好きな方には堪えられない画作りかもしれませんね。さすがに画素数が1500万を越えているため、画は十二分にシャープな印象です。高倍率機は高倍率なだけでしょ？なんてことはありません。
どんよりとした曇り空で、確かに露出も切り詰めました。しかし、、、渋い写りです。避雷針までしっかり解像してるあたりが画素数なりの解像力を感じさせます。
かなりヘイズの強い日でしたが、それでもここまで写ってくれました。レンズの歪曲が元々少ないのか、補正が高度なのかはわかりませんが（最近はこの種の補正機構のデキが素晴らしいのです）嫌な歪曲等は感じられません。
新聞の印字を解像しているのはもとより、紙面の質感もよく捉えられています。
ほぼ肉眼では靄の中に飲み込まれていたアクアラインの橋。こんな条件でもズームで引き寄せることで写ってくれました。ISO400となると、それなりにノイジーですが、長辺960pxでこの程度です。V-LUX40のようなカメラは、ポケットに突っ込んでおき、日常生活の中でカシャカシャと撮影・・・撮った写真をblogにアップしたりと、どちらかといえばそんな使い方だと思うのです。十分ではないでしょうか。
できる限りシンプルな造形に赤ロゴ1つ。いつものライカ的デザインですが、これがかえって高級感を醸し出すのですから、デザインとは面白いものですよね。背面もできる限りシンプルにまとめられた印象です。レンズが完全に沈胴してしまう電源オフ状態では、まさかテレ端480mm相当のズームを持つカメラとは思えないほど。こんなカメラがポケットに入ってるのも、なかなかよくないですか？
