さて注目のMモノクロームと、APO-SUMMICRON-Mの外観プレビューをお届けします。まずMモノクロームですが、一般的なセンサーとは違い、カラーフィルターが搭載されていません。つまり1画素で輝度情報を取得するのみとなり、白黒の画像が出力されることになります。一般的なセンサーの仕組みを端折ってお話しすると、表面にモザイク状に配されたカラーフィルターを搭載し、各色の輝度情報を取得、その後デモザイキングという行程を経てカラー画像を生成しています。本来であれば1画素で全ての色および輝度情報を取得できればよいのですが、構造上周辺の画素からの情報を加味して「恐らくこんな色」「恐らくこんな線」と、推測で画像を作っていると考えて貰えればよいと思います。推測（演算）なので、どうしても偽色や偽解像という弊害がつきまとってしまいます。では、カラーフィルターを取っ払ってしまえばどうなるのか。答えは単純で、簡単に言ってしまえば、1画素1画素を全て出力画像の1ピクセルとして素直に使うことができます。このことによって得られるメリットは、(1)偽色から解放される（白黒画像になりますが）(2)ダイナミックレンジの拡大に繋がる (3)感度が上がる (4)構造上ローパスフィルターが不要となり、極めてシャープな像が手に入る・・・といったところです。無理せず(?) 1画素1画素で輝度情報のみ取得する構造なので、ふくよかな階調と再現力（幅）を持つ、極めてシャープな白黒画像が得られるということになります。いわば、デジタルカメラで白黒の写真を撮るなら理想型の一つかもしれませんね。 ライカユーザーの皆さんは白黒写真に慣れ親しんできた方が多く、今もってなお白黒フイルムで撮影を行う方も多いと思いますが、そんなニーズに応えようとリリースされたカメラなのでしょう。今回実写は叶いませんでしたが、まずはカメラの外観だけでもお伝えしたいと思います。また、50mm単焦点にアポクロマートレンズを投入した驚きのレンズが発表されました。こちらの外観もご一緒に。それぞれ実写可能となりましたら、いちはやく皆様にお知らせする予定です。どうぞお楽しみに！
※「なんでカラーより高いの？？」と思われる方に・・・工業製品である以上、市場を包み込むような量産効果が十二分に働かないと、どうしても価格に跳ね返ってしまうのだと思います。それよりもこんな製品がリリースされて、選択肢として存在するというのは望ましいことですよね。余談ですが、昔からカラーフイルムの方が高価だったわけで、デジタル時代になって逆転してしまうというのは何だか面白いですよね。
( 写真: A.Inden / 文：K )
カメラ前面。M9-Pと同様、前面にはモデル名もライカロゴもありません。フィニッシュはブラッククローム。使い込むとエッジが鈍色になって、これまた渋いんですよね。
上面から。軍艦部にはノスタルジーなライカロゴの彫り込みもありません。アクセサリーシューに「MONOCHROM」と記され、シリアル番号が同じく入るのみだそうです。「M9-M」なんて名称になるのかと思いきや「LEICA M MONOCHROM」。何だか外観といい、特別な感じがして面白いですね。
こんな具合です。シリアルはプロトタイプのため、製品版とは文字列が変わると思われます。しかし、レンズはコンパクトです。同社のズマリット50mm並にコンパクトですね。最近ライカ社がリリースするレンズは、コンパクト化に腐心している印象を受けます。
ボディ底面。製品版ではモデル名やCEマーク等が記載されたシールが恐らく貼られると考えられます。
ボディ背面。M9-Pとほぼ同じですが、ボディにペイントが流し込まれていない刻印が追加されています。
随分ストイックな印象を受けるボディ、どんな画を叩き出してくれるのか、今から実写が楽しみです。今後、ボディ・レンズともに、「レンジファインダー専門店サイト rangefinder.yodobashi.com」で詳しくお伝えしていく予定です。このサイトではライカのボディ＆レンズの作例が満載、これから作例もさらに撮り下ろしていく予定です。お楽しみに！
