Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C / SHOOTING REPORT

フィルム時代には6×6㎝フォーマットでその名を馳せたHasselblad。その名声はデジタル時代も健在で、2017年には世界初となる中判ミラーレスカメラ「X1D-50c」をリリースしました。その実力はもとより使い勝手に至るまで当PYでもレポートさせていただいたこともありご記憶に新しいことでしょう(というかつい先日のことですね)。そしていよいよというか、早くもII型の「X1D II 50C」がリリースされるタイミングに(笑)。II型化に際し、ボディサイズやセンサーは前モデルを踏襲しながらも、背面モニターが3.6型に大型化され、EVFに有機ELパネルを採用し、加えてバッテリーの容量アップ(3,400mAh)が実施されました。一方、ソフト面でのアップデートは、起動時間の短縮、タッチディスプレイ応答速度のアップ、ライブビュー撮影時のリフレッシュレートが向上していることが主なポイント。前モデルと画作りは変わっていなさそうですから、今回のレビューではハード面の変化をはじめ、機動性・操作性につてレポートしていきたいと思います。また、使用したレンズはHasselblad XCD F2.8/65mm。そちらの描写もたっぷりとご覧いただきたく、それでは始めます。

( Photography : A.Inden / Text : A.Inden & KIMURAX )


目に見える変化

(1) 液晶モニターが3型から3.6型に大型化

*液晶モニターの大きさがわかりやすいようにモニターの明るさを変えてあります。

まずは目に見える変化から見ていきましょう。液晶の大きさが3型から3.6型になり、解像度も約92万ドットから約236万ドットと大幅にアップしました。上の比較写真を見ていただくと全体のフォルムを変えることなく、大きな液晶を組み込んでいるのがわかります。液晶の表示は少し変わりましたが、操作ボタンの配置に変化はなく、撮影時に戸惑うことはありませんでした。液晶は前モデルと同じタッチパネルとなっており、再生や画像の拡大等を直感的に操作できる利便性は引き継がれています。更にAFポイントの位置もタッチパネルでの操作が可能になり、瞬時に切り替えることができるようになりました。下の図を見ていだだけるとおわかりのように、AFポイントは撮影画面の周辺近くまで広くカバーされています。ワンタッチで細かなピント位置を移動できるのは快適そのものです。

(2) タッチ操作でのフォーカスポイントの範囲

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

(3) グリップ素材が変更

グリップ素材が変わり、更に滑りにくくなりホールド感が増しました。撮影時はそのコンパクトなスタイリングから、ストラップを手首にグリップへ指をかけて持つというスタイルがしっくりくるのですが、その場合ほとんど指だけでカメラを引っ掛けているイメージになります。前モデルも十分滑りにくく指にちゃんと引っかかる感じはありましたが、新しい素材により指へのフィット感がアップしています。

46%短縮、369万ドット、フレームレート60fps

起動時間が約半分(46%)に短縮。前モデルは起動時間を要したので、撮影にのってくるとカメラは起動状態でスリープ機能を使っていました。スリープの反応は速く電源ボタンに軽く触れるとOFF、シャッターボタンに触れるとON。まるでフィルムカメラのようなレスポンスで使用が可能でした。ただ、長時間のスリープではバッテリーの持ちが悪くなったり、カメラが少し熱を持つようなこともありました。そんな心配を減らしてくれそうなのが、II型の約3秒の起動時間。決定的瞬間を狙うなんていうことでなければ、スムーズに撮影するのには意外と十分な速さだと感じられました。加えてバッテリーの容量が3,400mAhに増えたことはスリープ機能使用派には朗報でしょう。

また、EVFが液晶から有機ELパネルとなり、解像度も236万ドットから369万ドットにアップ。さらに倍率も0.87倍と拡大され、高解像度化と合わせてピント合わせが格段にしやすくなりました。普段はほとんどAFで撮影できるほどにピント合わせの精度は高いですが、中判デジタルのピントの薄さを最大限に利用しようとすると、AFポイント枠の中の一部にピンポイントで合わせることが必要になってきます。そのような条件で使ってみるとわかるのですが、ピント合わせがより楽になりました。本モデルには様々な進化が見られますが、EVFの精度の向上は一番求められていた事ではないでしょうか。加えてフレームレート(リフレッシュレート)が37fpsから60fpsになり、ライブビューの表示がスムーズになったこともEVFの見やすさにつながっています。


Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden


Hasselblad X1D II 50C, Hasselblad XCD F2.8/65mm, Photo by A.Inden

気持ちよく、テンポよく、撮影が捗るII型の進化。

中判カメラであれば、ゆったりじっくりと構えてというお作法になるわけですが、昨今のデジタルカメラの挙動に慣れてしまっているためか、ついついスピーディさを求めしまうものです。先代の「X1D-50c」もデジタル化でコンパクトなボディに仕立てられたこともあり、操作感やAFのスピード、起動の方法等、フルサイズデジタルカメラ並みにユーザーの要求水準が上がってしまった側面もあると思います。今回そのあたりをきっちりとチューニングしアップデートしてくるあたり、Hasselbladの意気込みが見て使ってすぐに伝わってくるII型に仕上がっていました。コンパクトなデジタル中判ですからね、フィルム時代から中判を使い込んできた方々だけでなく、デジタルネイティブ世代の方々もこれからどんどん手にすることでしょうから、こういった進化は大歓迎。「X1D-50c」と「X1D II 50C」のレビューを担当させていただいたおかげで、その差を体感することができました。フィーリング的なことをお伝えするのはなかなか難しいですが、ご覧いただいたスペック的な進化は一目瞭然。これ以上の説明は野暮というものですね。また、画の美しさに関しては前モデルのレビューを見ていただいた方には今更でしょうが、軽快になった「X1D II 50C」を手に海、山、銀座の路地をスナップしてきました。普段使っているフルサイズ一眼レフよりコンパクトなボディ、相変わらず余裕のあるデータ、高感度の強さ等、手に取るたびについつい欲しくなってしまうから困りものです。しかも価格も抑えてきましたからね、決断するには十分な材料がそろってしまいましたね、キケンです(笑)。

( 2019.07.31 )

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より軽快コンパクトに情報量たっぷりの中判撮影が楽しめる。価格もコンパクトになり、中判ライフを謳歌するには絶好のチャンス到来です。

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開放F2.8、最短撮影距離0.5m。フルサイズ換算50㎜となる標準レンズは、ストリートスナップをはじめ機動性が求められる撮影シーンの必須アイテムです。

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一日撮影するには1本ではちょっと不安。気合を入れて撮影する方は予備のバッテリーを1本とは言わず2〜3本持つことをお勧めします。

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