フジ独創のロジックで作り上げられた、ローパスレスのセンサーを搭載するX-Pro1。その素晴らしい描写について以前みなさまにお届けいたしました。すでに手に入れたれた方も多いのではないかと思います。そのX-Pro1に、なんとフジフイルム純正のMマウントアダプターが登場。フジフイルムが堂々と「他社製レンズをつけてください」というのもなかなか凄い話です。Mマウントとは、ライカのレンジファインダーカメラに搭載されるものですが、これが遡れば戦前から現在に至るまで、数え切れないほどのレンズが存在します。アダプターの作りから装着できないレンズもありますが、大半のレンズが装着可能。取り付けられるものなら、片っ端から取り付けたくなるのが人情というもので、みなさまぜひ財布の中身から目を離さないように、計画的にご利用頂きたいと思います。ライカに限らず、世の中にはたくさんのレンズがありますが、とりわけライカについてはド級の性能で押し黙ってしまうようなレンズから、長い間人手に人手と渡って土に帰りそうな?レンズまで、それはもうありとあらゆるものが存在し、カオスの如き世界です。他のシステムと比べるとこのあたりの事情が深く、とにかく沼と称するに相応しいものですから、このマウントのレンズが取り付けられるということになりますと、本当に飽きることなく遊ぶことができます。X-Pro1はローパスフィルターがありません。それはつまり、光学特性がカットされにくく、レンズの特性もストレートに出やすいとも言えます。だからちょっと面白いと思うのですね。ともかく、作例を並べてみますので、ぜひごゆるりとお楽しみください。

( 写真/文:K )

「フォクトレンダー」と読みます。ライカMマウントに取り付けられるレンズとしては、新品で購入できて、なおかつリーズナブルでよく写る、大変おすすめのレンズです。このレンズは絞り開放から猛烈にシャープで、かつ、メタル調のものを撮れば右に出るモノが無いんじゃないかといった、独特のコントラスト特性を持つレンズで(描写が硬いとも言えますが)、一度使うとハマる人が多いレンズです。モノクロフイルム等とも大変相性がよく、カリ!カチッ!とした画が好きな人にはおすすめです。X-Pro1で使うと、22mmあたりでしょうか。ピントは3mあたりに固定してしまい、もうガシガシとシャッターを切って、スナップで振り回せるレンズです。このスタイルは軽快でなかなか楽しいですよ。先に記したとおり、リーズナブルですから手に入れやすいレンズです。安かろう悪かろうなんてことはありません。単焦点でフランジバックも短いため、基本的に描写がよくなりやすい素地があるシステムがライカMのシステム。本レンズもその素地の上にあるレンズで、その中でも優秀な1本と言えるでしょう。

逆光でエッジは浮きやすいのですが、シャープなレンズにシャープに描いてくれるカメラならでは。ライカMの世界には、周辺光量落ちはつきもので、このストンと落ちた周辺が、かえって画を面白くしてくれるのです。隅々までビッチリ、周辺も光量豊富で・・・というのもよいのですが、こんなレンズを使うと画にもバリエーションが生まれてきます。

22mm近辺となると、振り回して撮ると本当に面白いですね。扉そして壁の色はフジならではの色と、このレンズのマッチングでしょう。扉のハンドルは少し鈍いマットな色調でした。よくその雰囲気がでています。出窓の硝子の雰囲気もよく出ています。

 

さて、お次は本家・LEICA SUMMILUX-M 1.4/35mm ASPH. 。大変贅沢な作りの1本。絞り開放からとにかくシャープであり、文句のつけようが無い描写の1本です。大変高価なレンズですが、世界的に人気なのか、とにかく品薄がずっと続いているレンズで、精一杯の努力で調達しております。・・・余談でした。rangefinder.yodobashi.comのほうの作例もご覧頂きたいのですが、妙に立体感のある描写をする1本です。編集部では、日頃から数多くのレンズで撮影を行いますが、さすがに目も慣れてきます。そんな中、かぶりつきで画を見つめてしまった1本。高価ですが、価値ある1本だと思います。カメラはガンガン代替わりしていきますが、レンズはマウントが消滅しない限り、ずっと使い続けることができます。そう考えると(言い訳すると?)う〜んと考え込んでしまいそうです。

ドアのハンドルにピントを置いて絞り開放で。数え切れないほど握られて光っていたのですが、その調子もよく出ています。

モノクロモードで。さすがにフジフイルム、フイルムっぽい画です。このレンズのよいところは、開放からあれだけ切れるのに絞っても線が太ったり、硬くならないところ。

 

ヨドバシカメラでは取り扱いがありませんが・・・もちろんやります、オールドレンズ。まだ「ライカ」ではなく「エルンスト・ライツ」の頃のレンズです。焦点距離は50mmで、開放はF2.5。今みれば平凡なスペックですが、当時はハイスピードレンズと呼ばれていた1本です。光線状態に応じて猫の目の如くコロッコロと画が変わる、なんともややこしいレンズですが、ツボにはまるととんでもない画を叩き出したりして一筋縄ではいかないレンズです。基本的には女優さんの瞳のようにウルっとしたウェットなボケ味と、開放ではグルグルに巻くボケ味が、見る者をどっちだかわからない世界に引き込んでいく画が特長です。とにかく逆光には最低に弱く、開放での描写は諸収差がラッパ吹きながらオンパレード。光を読み、絞りとフレームのアングルを見定めて撮影するという作法を強います。しかもオールドレンズは個体差が激しく、基本的な特性は変わりませんが、たまに大当たりやその反対にも出くわします。というわけで、ぜひ参考までに(?)ご覧いただければ幸いです。※使用には更にL/Mアダプターが必要です。詳しくは後ほど。

Hektor(ヘクトール)なら、わりとカンタンに撮影者の意思を写し込むことができます。

何の晩餐だかはわかりませんが・・・なんてことはさておき、光線状態さえよければ、こんな描写も。決して目を見張るようなシャープさはありません。むしろエッジラインが無いのにグラスを描く、そんな不思議な描写。

真逆光ではありませんが、斜め45度方向からレンズに光を導くと、虹が架かります。しかも二重で、もれなく幸せそうな写真に。このレンズはコーティングが無い、まさにガラス玉状態のレンズですから、様々な反射がエレメントそして鏡銅内で繰り広げられて極端にフレアが走ります。逆手にとれば、このような撮影方法をなら毎回トイカメラのような仕上がり。これはこれで面白いですよね。

APS-Cサイズのセンサーのため、周辺のほうのクセはトリムされてしまうのですが、昔のレンズは周辺が画面中心からコンパスで円を描くように流れてしまうことが多いのです。このレンズとの組み合わせでも、その一端はうかがえて、日傘はデフォーカスではありますが流れが見受けられます。これがかえって、昔の8ミリフィルムで撮られた画みたいで、面白いですよね。さて、どう使うか。ボディ+マウントアダプター+さらにレンズ、、、となりますが、それでもX-Pro1をお持ちなら、こんな楽しみ方もあります。ぜひぜひ。

レンジファインダーカメラを日頃から使っていると、二重像合致でピント合わせを行うのが当然の作法として身についているわけで、ライカのレンズをX-Pro1にマウントすると、ちょっと新鮮だったりします。というのも、液晶画面を見ながらフレームするわけですが、ピントも当然液晶画面にて。レンジファインダーではリアルにピントが動く様は確かめようもないわけで、ライカのレンズのピントをライブビューで見つめること自体が新鮮です。もう一つ。「ピントをわざと外す」なんて思考回路はレンジファインダーであれば、あまり頭にありません。被写界深度を外れることはあっても。これが新鮮でした。わざとピントを外しフレームするというのは実に楽しくて、レンズのクセとセットで考えると、もういつまでもシャッターをカシャカシャと切ってしまいます。

遠景に置くか、手前に置くか。
マウントアダプター&X-Pro1はあらためてピントというものを考えさせてくれます。

 

こちらもオールドレンズ。ヘクトール7.3cm F1.9というレンズです。こちらもコーティングなしのガラス玉。5cmのヘクトールと比べると、こちらは素直なレンズで、その昔、ライカ使いで有名な写真家で木村伊兵衛さんという方がこよなく愛されたレンズだそうです。大変繊細な線を結び、開放付近ではヴェールのような滲みが柔らかい画を作るため、特にポートレートなどでお使いになっていたようです。古いレンズの中でも比較的入手が困難で、状態のよいものを手に入れるとなると、さらに困難であったりと、一期一会といってよい中古レンズでは、出逢ったら即お持ち帰りがおすすめです(な、なんのサイトだ!?)

すみません、ピントはわざと外しました。昔のレンズはデフォーカス部分も芯があるものが多く、ピンを外してもこのように丸々ボケてしまうわけではありません。日も沈みかけ、女の子2人でテキパキと片付けている模様をパチリ。

5cmのほうと違って、グルグルとは巻きません。ソフトフォーカスほど大袈裟にも滲みません。それはそうですよね、滲まそうとして滲ましてるわけではないわけですから。

 

詳しくはこちらをご覧いただくとして、マウントアダプターに電子接点を持ち、本体のファームアップでアダプター経由のレンズ情報を登録したり、各種の補正をカメラ側で設定できたりと、さすがに純正が出してくるアダプターです。X-Pro1の純正レンズ自体が、カメラの性格を考えればそんなに数え切れないほどラインナップされることはないでしょう。そこでアダプター経由でMマウントレンズ群が使えれば、とにかく選択肢は無尽蔵。これ1本でX-Pro1がさらに面白くなります。

※多数のMマウントレンズの作例がこちらからご覧いただけます(レンジファインダー専門店サイト)
※さらにディープなマウントアダプター専門店サイトなんてものまであります
※X-Pro1のカメラレビューはこちらから

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純正のアダプターとは、隔世の感が。。。

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母艦をお持ちでない方は、これをぜひ機会に。

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