TAMRON 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD Model B008

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

かつて、広角から望遠までを一本でこなすという高倍率ズームレンズは、多くのことを諦めて使用する、そんなイメージがありました。大きさ、重さ、画質、最短撮影距離、etc...。それが各メーカーの努力により少しずつ改善され、デジタルカメラの普及と並行するかのように徐々に進歩。Tamronが力を入れて開発している「小型・軽量・高倍率」のズームも各時代ごとに先端のテクノロジーを取り込みつつ改良され、市場に投入されてきました。本レンズはAPS-C用にして15倍という高倍率を実現し、尚かつ手ぶれ補正機構を搭載、それでいて軽量・コンパクトという何拍子も揃ったスペックを有します。入門編の選択肢として、あるいは荷物を減らしたいときの拠り所として、などといった使い方では勿体無いくらいの余りある実力の持ち主です。

( Photography : S.Zets & A.Inden / Text : Y.Moriki )

最短撮影距離がズーム全域で49cmという使い勝手の良さ。汗をかいたボトルやテーブルの細かな質感も仔細に再現しています。ハイライトもシャドウも良好な粘り具合です。

ほぼテレ端、開放で撮影。光に透かされた葉脈や、奥の葉のボケ具合等、何れも良好に描写されています。

もうすぐ冬になろうという頃のワンシーンです。老夫婦の距離感と延びた影、舞い散る落ち葉。観る人それぞれの物語がありそうですね。