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FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/250, F11, ISO 100, Photo by A.Inden

FUJIFILM GF32-64mmF4 R LM WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ワイド側32mmはフルサイズ換算で約25mm相当になる広角域からスタートし、標準域(51mm相当の画角)までをカバーできる便利な一本。フルサイズのデジタルカメラとさほど変わらぬサイズ感に仕立てられたミラーレス中判デジタルボディの「GFX 50S」ですから、自分の足で動き回ることもぜんぜん苦にはなりませんが、このズームがあるだけで切り取ることができるシーンが広がります。スペック的にはたったの2倍ズーム。とはいえ広角側で捉える画の世界感は、ちょっとしたパースペクティブの変化で印象が変わってきます。広大な風景から街中スナップ、あまり引きの無い空間での撮影にと、このズームがなにかと重宝するのです。また、絞り開放F4というスペックに抑えたことで、中判レンズながらコンパクトにまとまっています。広角域ですから大きなボケを求めるようなことは少なく、しかもISO 3200あたりまで問題なく使えてしまう「GFX 50S」の高感度特性を持ってすれば、F4という明るさで十分です。光学系には3枚の非球面レンズに加え、EDレンズとスーパーEDレンズを1枚ずつ使用。防塵・防滴に加え、-10℃の耐低温構造によるタフネス性能も備えた信頼の一本。さあ、どんな画がものにできるのか?ではご覧いただきましょう。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/500, F9, ISO 800, Photo by A.Inden

広角側を使用するシチュエーションでは、画面の 隅々までをビシッと 解像して欲しいものです。こちらはワイド端32mmで絞り込んでの撮影ですが、画面のどこを見ても緻密な描き込みであることがわかりますね。ふと撮影データを見るとISO 800。PY編集部員はいつでも気合の手持ち撮影がキホンですから、シャッタースピードを稼ぐために感度アップで臨んだわけです。手ブレ補正機能が無くたってカメラ側の優れた高感度性能があればこそ、いつでも身軽に手持ちでシャッターを切ることができます。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/220, F11, ISO 200, Photo by A.Inden

さらに絞り込んでF11での撮影。キリッとシャープで解像感たっぷりですが、カリカリという印象ではありません。少々半端な距離にあるクルマですが、ホワイト系のボディがぺたんとフラットにならずに、そのフォルムを忠実に描き出しています。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/500, F4, ISO 100, Photo by A.Inden

ワイド端、絞りを開放しての撮影。こちらも画面の隅々まで乱れはありません。自然な発色で、気になるようなフリンジも見受けられず。開放から描写力全開という印象です。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/500, F4, ISO 100, Photo by A.Inden

こちらはテレ端・開放での描写になります。前ボケ後ボケ共に自然な仕上がりですね。少々控えめな開放値ですが、なかなかのボケ量。ピント面では、一輪一輪のしべまでがハッキリと見てとれるほどにシャープな像を結んでおり、レンズの素性の良さが伺えます。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/250, F4.5, ISO 100, Photo by A.Inden

絞り込んだパーフォーカスの画でも立体感が失わない描写力。センサーサイズの恩恵ももちろんありますが、背景を多少ぼかしただけで主役の存在感はグンと一気に増します。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/500, F4, ISO 800, Photo by A.Inden

ズームのちょうど中間あたりでの撮影になります。足で前後しにくい場所では特にズームのありがたさを実感しますね。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/250, F11, ISO 100, Photo by A.Inden

かなり輝度差のあるシーン。F11まで絞るとハイライト部分が飛ばずに、ちょうどいい塩梅に落ち着きました。露出補正なし。日陰になったビルそして橋の下の水面までもがドーンと暗く落ちていますが、不鮮明に潰れてしまうようなことは無く、シャドーエリアの情報もきっちりと再現されています。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/1000, F4, ISO 400, Photo by A.Inden

こちらはテレ端になりますが、ハイライトからシャドーまでの階調の豊かさも素晴らしいですね。何でもないようなカットですが、その何でもない有りのままの様子をそっくりそのまま再現する。すごく当たり前のようでいて、実はそこが一番難しいのですよね。中判サイズセンサーの力を存分なく発揮させる、本レンズのポテンシャルの高さを感じます。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/125, F4, ISO 200, Photo by A.Inden

風景撮影が主になる広角系レンズは、耐逆光性能も気になるところですがいかがでしょうか。適度なコントラストを保ちながら、微妙なトーンも丁寧に描き分けていますね。周囲の複雑な枝ぶりもきちんと解像しており、絞り開放からよくもまぁこれだけの厳しい条件で、実に良好な像を結ぶレンズだなと感心しきりです。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/250, F8, ISO 100, Photo by A.Inden

ぶ厚いガラス越しの強い日差しと、それを反射するタイル面。まさに逆光ダブルパンチというシチュエーションですがノープロブレムですね。ヌケのいい描写は気持ちがいいものです。

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/250, F4, ISO 200, Photo by A.Inden

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/500, F4, ISO 800, Photo by A.Inden

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/30, F5.6, ISO 100, Photo by A.Inden

FUJIFILM GFX 50S, GF32-64mmF4 R LM WR, 1/500, F6.4, ISO 100, Photo by A.Inden

単焦点レンズの描写力をもったズームレンズ。

そうです、このタイトルこそが本レンズの特長と言ってもいいのかもしれません。ズーム倍率を2倍に抑えているとはいえ、ズーム機構がある以上は単焦点レンズとは勝手が違うはず。ところがいかがでしたでしょうか、作例をご覧になった印象は?ズーム全域に渡って抜かりの無い解像力。しかも絞り開放から画面の周辺までビシッと決めてくるのですからね。文句のつけようがありません(笑)。そしてこれだけヌケのよい描写を見せてくれるのですからね。ヌケがよくても階調が豊富で無ければ、ここまで透明感や空気感のある仕上がりを得ることはできません。なんだかべた褒めになってしまい、レビューとしていかがなものかと今一度作例を見直しましたが、やはりズームレンズとは思えぬ描写力です。フィールドやストリートに風景を求めて行く際には、可能な限り機材は少なくしたいものです。もちろん画質にだって妥協はしたくありません。そんな本音に真っ向から応えてくれるのがこの「GF32-64mmF4 R LM WR」なのです。フルサイズで言うところの28mm、35mm、50mmの単焦点レンズが一本に収まっていると考えてもいいわけで、ある意味かなりお買い得なレンズだということは確かだと思います。

( 2017.11.30 )

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35mm判換算で25-51mmの画角を持ち、汎用性の高い標準ズームレンズです。大口径の高精度非球面レンズを3枚採用。ED、スーパーEDレンズ各1枚も採用するなど贅沢な光学設計。広角端から望遠端まで高画質で、高い解像力を有する一本です。

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中判サイズのイメージセンサーFUJIFILM Gフォーマット搭載の中判ミラーレスデジタルカメラGFX 50Sです。画像処理エンジン「X Processor Pro」はGFレンズとの組み合わせで富士フイルム史上最高の画質を実現すします。

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