PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

SIGMAよりLマウント、ソニーEマウントに続き富士フイルムXマウント用標準ズームレンズ「18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary」が登場しました。開放値は全てのズーム域でF2.8と大口径ズームレンズに分類されるレンズを、コンパクトさを追求したContemporaryラインの一本として最大径61.6mm × 全長76.8mm、質量285gと手のひらサイズに仕上げています。コンパクトなレンズですがレンズ構成は10群13枚、シャープな写りのために高精度なグラスモールド非球面レンズを3枚、特殊低分散ガラス(SLD)を1枚採用。そしてAFはステッピングモーターを採用することでスムーズで静かになり、静止画だけでなく動画撮影時にも安心して使用できるとのことです。フルサイズ換算で27-75mm相当の使いやすいズーム域、ボケも十分に楽しめるF2.8の開放値、そして最短撮影距離12.1cm(ワイド端)とクローズアップもこなすコンパクトで取り回しの良いレンズ。今回は本レンズで身近ないつもの風景を写真に収めてみました。

( Photography & Text : A.Inden )

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

うちに来てから13年、いつもモデルになってくれている「レオン」です。昔のレビューをみると「あのときこうだったな」と撮影した時のことを思い出します。家族の一員の何気ない日常を切り取った写真だからこそ、当時のことが鮮明に思い出されるのかもしれません。写真っていいですね。我が家の歴史とリンクしているレオンの最近の様子を作例で紹介します。お気に入りの箱に入った彼に上から声をかけたらメンド臭そうな顔をした瞬間を広角側でパチリ。赤いソファーで夕日を浴びで温まってるところを邪魔しないように望遠側でパチリ。いつでも手が届くところにカメラを置いて良いなと思った瞬間を撮る。そんな写真にささやかな幸せが写っているのだなと思います。


FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

フルサイズ換算35mmで撮影。開放でピントは電気スタンドのシェードに合わせてあります。カリッとした描写ではありませんが、柔らかさを感じさせる写りに好感が持てます。少しコントラストが高めで黒が締まった写りですが、ぎりぎりシャドー部は残っています。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

ほぼテレ端でクローズアップ撮影。センサーサイズAPS-C、開放値F2.8ですが、十分なボケ量があります。唐辛子の深い赤色は飽和することなく丁寧に描かれています。色味は富士フイルムXマウントと同じ傾向に調整されているように感じました。他のXマウントレンズと一緒に使っても色味が違うという心配はなさそうです。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

エッグスタンドにクッキーを入れてズーム域のほぼ真ん中50mm相当(フルサイズ換算)で撮影。最短撮影距離まで寄るとピント面がこのように薄くなります。背景は良い塩梅にボケていて被写体を素敵に浮き出させていますが、実際は生活臭満載の小物が置いてあります。ボケ味が綺麗だとどんな場所でも写真になってしまいます。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden


FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

太陽が葉っぱで隠れるようにして撮影。色が濁りやすい条件ですが、透過されたグリーンの濃淡がクリアに再現されています。描写も画面隅々まで高画質です。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

雲と電線だけで画面を構成。撮影者の立ち位置が変えられない時でもズームレンズだとミリ単位のフレーミングができます。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

畑の中の動いてない時計。いい味出しているのですが用途は不明です。滑らかに繋がったボケ方が、しっとりとした描写を作っています。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden

窓からの光に照らされ、シャドーに浮かぶ植栽。ゾクっとするほどいい写りです。ズームレンズでここまで撮れるとは思ってもみませんでした。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary, Photo by A.Inden


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優しさというスパイスが効いたコンパクトズーム

F2.8通しのコンパクトさが売りの大口径ズームレンズですが、シャープさはもちろん独特の雰囲気を持つ描写に驚きました。ピントピークは線で描くというよりは被写体を立体で作ろうとする厚みを感じる描写。ボケ量はAPS-Cとは思えないほど大きく、そのボケ方は素直で背景に複雑な被写体がきてもざわつくことがなく、全体から受ける印象は優しいボケ味。そして色のりは良く、少しコントラストが高く黒が締まった調子。この3つの要素が上手くコラボして独特の優しい写りが生み出されたのではないでしょうか。コンパクトな標準ズームで日常を自由に切り取る軽快さ、ボケを活かして背景を作っていく面白さ、そこに「優しい写り」というスパイスを加え普段見慣れた風景を一枚の写真として料理していく楽しさ。スパイスが効いたズームレンズ一本あれば、いつもの場所が魅力的な撮影場所に変わるのではないでしょうか。

( 2022.12.19 )

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単焦点レンズがシームレスにつながってるような大口径ズームがこのお値段で。

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いつでも使えるようにレンズキャップがわりに保護フィルターを。

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