TAMRON SP AF200-500mm F/5-6.3 Di LD [IF] Model A08

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

このクラスの超望遠ズームとしてはとてもコンパクトな本レンズ。500mmというテレ端がありながらカメラバッグに大きめのスペースを空けてあげればスッポリと納まってしまいます。とは言え、その分開放値がやや犠牲になった感が拭えないのも事実。それでもF5～6.3というスペックは、明るさと機動性を十分に兼ね備えているとも言えます。絞り開放での描写はどうしても甘さを感じてしまうので、しっかり絞って使うのがポイント。絞ることを前提とすれば、開放F値もさほど気にする要素とはならないでしょう。そんなことよりもリーズナブルに、超望遠ズームでしか切り取ることのできない世界に踏み込んでいけるのですから、大変ありがたい存在です。

( Photography : T.Nakanishi / Text : Y.Moriki & KIMURAX )

道の上を車が走る、それだけのことなのに画になる瞬間というのがあります。起伏に富んだ地形に敷かれたアスファルト。望遠で切り取ると、普段と違う表情を見せてくれました。

他には無いスケールで独特の感動を与えてくれる自然現象。天体ショーもその一つですが、撮影するには独特のノウハウが必要で手を出しにくいジャンルです。そんな中にあって、月の撮影というのは比較的容易です。天体望遠鏡でなくとも月食をここまで引き寄せることができました。

200mmを少し超えた焦点域で、絞り込んでの撮影。手前の地面から、というわけには行きませんが、中距離から遠距離まで、被写界深度に納まっています。それでいて地形や木々や山まで、しっかりと立体的に描写してくれました。