PHOTO YODOBASHI
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TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A025
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
タムロンのフルサイズ向け大口径望遠ズームレンズのレビューをお届けします。こちらの「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 Model A025」は、Model A009の後継モデルとして今年、実に5年ぶりとなるリニューアルが行われました。発売から少々日が経っていることもあり、もうすでに実際に手にされたという方も多いことでしょう。本レンズの光学系は先代から一新され、超音波モーターにはリング型を採用し、高性能マイクロコンピューターを積み込むなど、どうやら単なるリニューアルのレベルではないことが伺えます。最短撮影距離は1.3mから0.95mへと短縮され、手ブレ補正効果はなんと5段分に。最新のeBAND（Extended Bandwidth & Angular-Dependency）コーティングを採用。ついには信頼の防塵防滴構造とした上、防汚コートを施すという念の入れようです。つらつらと挙げただけでも、大口径望遠ズームレンズに求められる機能・性能がテンコ盛り。しかもどれもがハイスペック。ひしひしと伝わってくる本レンズに込められた作り手の意気込みを、実際に確かめてきましたのでどうぞご覧ください。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
空が曇りがちだからといって、撮影を諦める必要はありませんね明るいレンズなら。もちろん晴れた日に比べたらシャッターチャンスは少なくはなりますが。虎視眈々とその瞬間の訪れを待つのも一興です。向こう岸のあたりの雲の切れ間から、傾きかけた太陽が水平線上を丁度照らし出しました。遠くで煌めく水平線、そして砂浜で戯れるワンちゃんと人のシルエット。露出補正なし、テレ端、開放でのショットです。フォーカスしたシルエットはキリッとシャープ。海から向こう側のデフォーカスエリアは程よくボケながら、主役のシルエットをいい塩梅に引き立ててくれています。周辺光量が少し落ちた雰囲気もこれまたピッタリです。
こちらもテレ端、開放でのカットになります。それなりに距離はあったものの、支柱のアルファベットはもちろんのこと、拡大して見るとネット左上にプリントされた文字までしっかり解像しているではありませんか。絞り開放からとにかくよく解像するレンズです。
さあボケのチェックです。等間隔に立ち並ぶシャワーヘッドですが、一本一本のボケ量の違いがよくわかりますね。前後ともに柔らかに馴染んでいく様は、大口径レンズならではの世界感。ピントピークでの質感表現もしっかりです。
ガラス越しですが、瞬時にAFが主役を捉えてくれました。ジャケットやシャツの細かな折皺までの描き込みさすがです。
ワイド端、70mm。中望遠域ですからね、それなりの切り取り感がいい緊張感をもたらしています。床のメッシュタイルまで極め細やかに解像。こちらも文句なしです。
手前のデフォーカスエリア内の大量の水しぶきがボケたことで、まるでベールのように。躍動感のある水の姿が、ちゃんと見えそうだけどハッキリとは見えない。これはこれで面白いと思います。
1段半しか絞っていませんが、十二分にシャープ。解像力の高さがわかります。
肉眼で見ていても実に神々しい光景。ヌケのよい描写で、あるがままをそっくりそのまま持ち帰ることのできる快感。もう言葉は要りませんね。
圧縮効果も望遠レンズならではの醍醐味。ファインダー越しに見える景色に新たな発見があるはずです。
怒涛のコストパフォーマンス。
コストパフォーマンスを形容する言葉として、「怒涛」という言葉を用いることが日本語として正しいのかどうか正直わかりません（笑）。ただ、「コストパフォーマンスに優れたレンズ」なんて言葉で、さらっと片付けるにわけにはいかないなと感じたのです。コスト（価格）に対するパフォーマンス（性能）の高さが、今回のModel A025化によってグーンと増したものですから。冒頭でも触れたとおり、大口径望遠ズームレンズとして考えられるものはすべて載せているともいえる贅沢な仕様。それでいて、メーカー希望小売価格は先代からわずか数万円プラスになっただけ。実勢価格の差はそれよりもっと小さいはずです。さて、予算の都合でサードパーティ製のレンズを選ぶという、価格を入り口にしたレンズとの出会いが、楽しい写真生活に果たしてきた役割の大きさは計り知れません。その中で、この程度の値段ならこのぐらいの性能でもいいか、という選択にあって多少の妥協もあったでしょうが、本レンズにはそんなことはありません。これだけの機能・性能を載せた上に、作例カットをご覧いただいたとおり描写力もズーム全域に渡って良好。AFも素早く、ビシッと被写体を捉えてくれますからね。今、大口径望遠ズームレンズを探している方には、ぜひ積極的に選んで欲しい一本なのであります。コストパフォーマンスが凄すぎますから。
( 2017.09.06 )
光学性能の向上だけでなく、AFのスピード・精度、手ブレ補正の強化はもちろん、最短撮影距離まで短縮。防塵防滴構造を採用し、防汚コートまで施す念の入れよう。大口径望遠ズームレンズにおよそ必要とされる性能はすべて進化しています。新しいSPデザインは控えめでありながらシンプルで美しく所有欲も満たされるはずです。
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