PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Carl Zeiss Milvus 1.4/25

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ZEISSからキヤノンEFマウント用Milvus 25mm F1.4が登場しました。35mmフルサイズ一眼用の本レンズはこれまで現行モデルのDistagon T* 2/25が高画素デジタルカメラに対応すべく最新の光学設計で生まれ変わったモデルになっています。ZEISS独自の優れたレンズコーティング技術と鏡筒内の内面反射を抑制するための特殊な表面処理やフレアカッターを設けフレアやゴーストを極限まで抑えるという設計になっています。またカラーフリンジを最小限にとどめるために、異常低分散ガラスを採用することで、逆光などの厳しい撮影条件下でも優れた描写を実現できる構造になっています。画質においては単焦点レンズでありながら13群15枚というレンズ構成で様々な収差バランスを最適化していますので、画質にこだわるハイアマチュアユーザーからプロの方にも満足できるのではないでしょうか。写りに特化した本レンズは、ふんだんに使用したレンズ群や総金属製の鏡筒を採用することで、1,223gとそこそこ重いですが見た目のインパクトと素晴らしい写りの代償と思えばお釣りが来そうなものです。覚悟の上で手持ち撮影にするもよし、じっくり三脚に据えて撮るというスタイルもこのレンズなら合っているのかもしれません。今回撮影を担当したのはAki-3とZ IIの二人。Aki-3には自然あふれる何気ない日常。Z IIにはザ・都会。時間の流れの違うそれぞれの場所と、そこに住む撮り手の二人がこのレンズのいろいろな使い方や楽しみ方を見せてくれるはずです。


Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

過ぎてゆく今日を物語に変える。

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

人の眼レンズ。

25mmという画角は、ぼや〜っと見ている自分の光景にすごく近い気がします。じゃぁ、24mmはどうなんだと言うことで、自分の持っている24mmレンズを覗いて見ましたが、1mm、この1mmの差を人はどうやら感じるみたいです。しっかりと光景を見ている時は24mmで見ている感じがして、25mmは意識しないで見ている感じです。無意識の光景が連続して続く日常の中で、ふと何かに気づきます。人間の眼、強いては脳と言うのは便利なもので眼に写っている情報の中から必要なもの、必要で無いものを自然と画面整理をしてくれます。

Milvus 1.4/25と言うこのレンズで撮影してみました。カメラのモニターに映し出された絵に凄みを感じました。「なんじゃこれ!」と声が思わず出ました。ピントを置いた場所は線が細くてシャープです。F1.4と言う事でボケ味に期待しましたが、見事にその期待に応えてくれます。ピントの置いた場所から始まるボケは極めて滑らかで、自然であり、ありきたりな表現ですが、まるで標準レンズのボケの描写を見ているかのようです。いや、標準レンズのボケではなくて、ぼや〜っと見ている光景の中で、どこかにフォーカスを合わせた時の網膜に写っているアウトフォーカス部分と同じ見え方がします。モニターに映し出された絵と言いましたが、これは絵では無いですね。脳で画面整理されて眼に映し出された光景と同じです。だから不自然を感じさせません。それからと言うもの、常に絞り解放で「ぼや〜っと見ている光景」を撮り続けました。またマニュアルフォーカスなので、ファインダーを見ながら、その光景の中にある主題にピントを合わせて行くのですが、フォーカスの回転角が大きい事もあり、自分の指先ですごく繊細に主題をすくい取る感覚があります。

フォーカスはマニュアル、重量もそこそこあり、機動性に富んだとはさすがに言えないレンズですが、もし眼にシャッターが付いてたらこんな写真が撮れるのではないだろうかと思わせるレンズです。(Aki-3)


Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

都市のきらめき。

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

Canon EOS 5Ds R, ZEISS Milvus 1.4/25 ZE

挑戦する喜び。

今回のロケで使用したボディはキヤノンEOS 5Ds R。言わずと知れたキヤノンが誇る最高画素機です。Milvus 1.4/25がこの組み合わせでどんな画を叩き出すのかとても楽しみでした。が、しかし、普段からAFに慣れすぎている上に、F1.4の極薄のピント面ということに少し不安もありました。ボディとセットで2キロちょいの重量と超高画素機ですので手ブレにも非常にシビアで、使い初めは少し手こずりました。どの機材もそうなのですが身体の一部のようになるまでは撮影の一連の流れはなかなかうまくはいかないものです…特にこのレンズは。でも、それが一旦うまくいきはじめると楽しくて嬉しくて。それこそが新しい機材を買った時の醍醐味の一つですよね。撮り手がカメラの方に寄り添っていくというか、「ほぉほぉ、お主はこうやれば上手く写るのだな」と機材の言いなりになるというような関係性を嫌いじゃない方も多いのではないでしょうか。そして撮影に慣れ始めるとピントがうまくあった時の猛烈なキレ、質感や立体感の再現性や独特の周辺落ち、不思議だけど嫌な感じのしないボケ感を思うままに、あらゆる場面で試せる幸せに到達できるのです。(Z II)


  • PHOTO YODOBASHI瀬戸内海でも私の住んでいるエリアでは防波堤からでもハマチが釣れたりします。船から上げられたハマチを水槽に移す作業をされています。主題までは3-4mあって、開放での撮影。波止の先で釣りをしている人、後ろのしまなみのボケ感は秀逸です。(Aki-3)
  • PHOTO YODOBASHI公園で将棋をしている方に声をかけて撮らせていただきました。撮影距離は約60cm。開放での撮影です。焦点距離が25mmといえ、開放値がf1.4では被写界深度は非常に浅くなり、フォーカシングにも気を使います。ライブビューの拡大機能を使ってピントを置く事を多用しました。(Aki-3)
  • PHOTO YODOBASHI失敗例です。ピントをはずしてしまいました。冬の長く伸びた影を撮りたくいい光だなぁと思っていると、どこからともなく風のように子供達が駆けてきたので急いでピントを合わせましたがはずしてしまいました。動きものは苦手なレンズとわかっていても悔しい〜。この悔しさの経験も大事にして次に活かしましょう。(Z II)
  • PHOTO YODOBASHIリベンジというわけではないですが、風景より人を撮りたい筆者はこのレンズで人を撮ったならばどう写るのだろうと試してみたかったところ、チャンスが来ました。クリスマスツリーの飾り付けに夢中になっている瞬間を狙って今度はバッチリ。これでも結構寄って撮ってます。レンズの先からおよそ40センチほどですが集中している子供はカメラなど気にも留めないものですね。(Z II)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

代打の切り札。

さて、いかがだったでしょうか。難しいは楽しいへの近道と、以前ライカデビュー日記で書いた記憶がありますが、今回のロケはまさにそれを思い出しました。初めは肉眼でピントを送るのは難しいと思いましたが、コツをつかみさえすれば徐々に慣れてきます。慣れないうちはピント合致ランプがファインダーの右のほうに出るのでそれを頼りにしたり、ライブビューで拡大して合わせたりやりようはあります。実際Aki-3はほとんどのカットを三脚に据えてライブビューの拡大表示を使ってシビアなピント面を合わせていましたが、このレンズなら有りなのかもしれないですね。Z IIはイルミネーションの写真以外は手持ちで撮りましたが、それはもう目を三角にして気合を入れて撮りました。撮った直後に一瞬モニターに現れる写真に、お、いいね!と思っても拡大してみるとピントずれやブレに泣かされたりもしましたが、それも含めて写真であり、まだまだ自分の体の一部になりきれていない証拠なのです。あとは鍛錬あるのみ。いやとても精神が鍛えられるレンズではないでしょうか。

街中でパシャパシャ撮るのはズームレンズに任せて、ここぞという時に登場するとっておきの一本、まさに代打の切り札的レンズなのです。何しろ当たればホームランなのですから。とはいえいいレンズは色々撮り試したいでしょうから、練習も兼ねてガンガン使い倒して会心の一撃の確率を上げるのももちろんいいと思います。防塵防滴に配慮された設計になっているので雨天での撮影やこれからの季節では雪景色にも連れて行ってあげたいですね。是非とも気合と覚悟を持ってこのレンズに挑戦してみてください。時には口もきかないほどのケンカもするかもしれないですが生涯の友のような相棒になるのではと思います。


( 2017.12.07 )

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ZEISS独自のZEISS T* 反射防止コーティングやレンズのエッジ部分には繊細な手作業による墨塗りがなされています。また鏡筒内には内面反射を抑制するための特殊な表面処理やフレアカッターを設け、不要な反射を防止しています。さらにカラーフリンジを最小限にとどめるため、異常低分散ガラスを有効に採用いています。その風貌、重量感からも只者ではない雰囲気を放っています。

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レンズの性能を最大限に引き出すT*コーティング採用紫外線カットフィルター。値は張りますが是非とも純正品をお勧めします。

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