PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/60, F4, ISO 160, Photo by EYTZ.T

Canon EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ミラーレス一眼ハイエンドモデルのEOS M5が発売され、EOS Mシリーズ(EF-Mマウント)用交換レンズのラインナップもさらなる充実をみせています。今回レビューをお届けするレンズは、約8.3倍の高倍率ズームレンズ「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」です。フルサイズ換算で約29-240mm相当の画角をカバーしますので、風景からスナップ撮影にと幅広く対応できる頼もしい一本。ワイド側18-50mmの間では、最短撮影距離がなんと25cmとかなり寄れます。そんな撮影の時にも安心の手ブレ補正機能も搭載しており、効果はシャッタースピード約4段分。しかもEOS M5へ装着すると、ボディ側の5軸電子手ブレ補正と協調する「コンビネーションIS」により、さらに強力な手ブレ補正効果を発揮してくれます。お陰でテレ側でも、動きのある被写体をサクサク狙えてしまうという優れもの。広角から望遠までこなす万能レンズですから、旅行のお供にもピッタリ。というわけで今回は、ちょっとした小旅行に持ち出したというシチュエーションでテスト撮影してきました。

( Photography : EYTZ.T / Text : KIMURAX )

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/200, F6.3, ISO 1250, Photo by EYTZ.T

フルサイズ換算で200mm相当になる画角での撮影。被写界深度はそれなりに浅くなりますが、ピント面で捉えた浮き玉をキリッとシャープに描き出しています。手前に前ボケを入れてみましたが、これまた実にさり気ない、なかなかいい雰囲気を添えてくれました。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/160, F3.5, ISO 100, Photo by EYTZ.T

ほぼワイド端でのカットになります。絞りを開放して被写体に寄れば、ご覧のように背景をぼかすこともできます。その柔らかい雰囲気とは一線を画す、ピント面で捉えた蛇腹のエッジ部分や年季の入った金属部分は、その質感まで丁寧に再現されています。データを拡大して見ると、左上に写っているフィルム巻き上げノブにフリンジが発生しているのが分かるのですが、拡大すればというレベル。絞り開放ながら色収差もよく抑えられていると思います。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/640, F5.6, ISO 100, Photo by EYTZ.T

絞り開放からキリッとシャープな像を結ぶレンズですね。こちらも半段しか絞っていませんがキリッとシャープ。さらに絞り込むかどうかは、被写界深度の微調整という感じでしょうか。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/1250, F6.3, ISO 100, Photo by EYTZ.T

テレ端開放、240mm相当の画角となります。雪化粧した山の表情、そして仲良く飛ぶ鳥のシルエットまで見事に捉えていますね。開放時はさすがに周辺落ちが見られますが、もし気になるようであれば2~3段絞ってあげるといいでしょう。また、こういったシーンには周辺落ちがなかなか似つかわしいわけで、画作りに活用してみると面白いですよ。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/320, F10, ISO 100, Photo by EYTZ.T

パンフォーカスになるようワイド端で絞込んでみましたが、線が太るようなこともなさそうですね。階調表現も悪くはないです。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/4, F40, ISO 100, Photo by EYTZ.T

手持ちにてスローシャッターで撮影。基本的にPYのテスト撮影では“絞り優先”ですが、このカットは“シャッター優先”を選択したため絞り値はF40 に跳ね上がっていました。そのため回折現象が生じたことで、手前のコケや岩のピントが甘々ですね(手ブレじゃないですよ)。手ブレが影響していたら、こんなものでは済みません。冒頭でもお伝えした、レンズとボディの手ブレ補正が協調する「コンビネーションIS」はとにかくよく止まります。ホントに面白いようにピタッと。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/1000, F3.5, ISO 100, Photo by EYTZ.T

さぁ、こちらのコケはビシッと撮影いたしました(笑)。絞り開放でこれだけ精細に捉えることができるとは、レンズのポテンシャルの高さが伺えます。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/800, F4.5, ISO 100, Photo by EYTZ.T

こちらもワイド端での撮影になりますが、開放から一段絞っただけ。見事なシャープさに感心しきりです。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/60, F5, ISO 1000, Photo by EYTZ.T

発色も実に自然で申し分なしですね。

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/250, F3.5, ISO 100, Photo by EYTZ.T

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/160, F6.3, ISO 100, Photo by EYTZ.T

Canon EOS M5, EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/60, F9, ISO 320, Photo by EYTZ.T


絞り開放から実に良好な描写を見せてくれるものです。しかもズーム全域においてですからね。高倍率ズームという言葉を聞くと、テレ端の画とかは使い物になるの?とついつい反射的に勘ぐってしまう筆者なのですが、そんな心配どこ吹く風といわんばかりの写りでした。コンパクトなシステムが魅力のEF-Mマウント。コンパクト化に注力しながらも、純正レンズとして納得できる画質を追求した結果が、そのまま今回の作例カットにきちんと現れているのだと思います。万能ズームが故に、他のEF-Mマウントレンズに比べれば少々大きいと感じるかもしれません。しかし、今回EOS M5に装着して実際に撮り歩いてみたところ、カメラとのバランスも良好で、軽快なシステムとしての魅力はスポイルされてはいませんでした。それどころか、これ一本だけで幅広い撮影シーンに対応できてしまう使い勝手のよさはかなりのアドバンテージ。しかも抜かりのない確かな描写力で楽しませてくれるのですからね。頼もしすぎる純正高倍率ズーム。EOS Mシリーズユーザーとしては買わない理由が見当たらないのです。ホントに。

( 2017.08.18 )

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35mmフィルム換算で29-240mm相当の幅広い焦点距離をカバーし、この1本で幅広いシーンを撮影できます。軽量、コンパクトでありながら、細かな凹凸状の加工が施されたフォーカスリングとズームリングが優れた操作性を実現しています。

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こちらは同レンズのシルバーモデル。新開発のISユニットを採用しており、シャッター速度換算で4段分の手ブレ補正効果を実現しているのも魅力です。約8.3倍の高倍率ズームですから、これ1本で多彩なシーンに対応できます。

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キヤノン純正のレンズ保護フィルターです。多層膜コーティングが施されていますから、反射光をしっかり除去してくれます。もちろん、レンズのカラーバランスを損なうことはありませんから、常用フィルターとして最適です。

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実は、レンズフードは別売となっています。レンズに合わせて最適な形状で作られていますので、画角外からの不要な光を遮りフレアやゴーストをしっかりと防いでくれ、撮影時にも快適な環境を作り出してくれます。

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